STORY
STUDIO FNCの仕事の裏側を公開
伊賀鉄道さんにぶーちゃ電車が走る!!
#story17「新たな地域活性化のヒントを得る」
三重県伊賀市。大阪までも1時間半、名古屋までも1時間半。ちょうど中間地点にある地域。
今まで全く縁もゆかりもなかったこの地にSTUDIO FNCが繋がりを持つことになるとは夢にも思ってもみませんでした。
2020年10月19日〜11月2日までの2週間、STUDIO FNCのインスタグラムで配信している絵本「猫のぶーちゃ」が100話達成を記念して、伊賀鉄道の電車にヘッドマークを付けて走行していただけることになりました。そこで、このキャラクターのPRをするのみではなく、せっかくなら伊賀鉄道さんを盛り上げること、そして、伊賀の街をPRすることを合わせて実施してみることにしました。
ご覧のように、ヘッドマークデザインは、伊賀鉄道さんの看板列車のひとつでもある「ふくにん列車 伊賀の四季号」をイラスト化。そして、そこにSTUDIO FNCのキャラクターたちが乗車している雰囲気にしました。
更に、インスタグラムの絵本「猫のぶーちゃ」では、伊賀を旅するオリジナル物語を掲出開始日の1週前からスタートして、掲出終了後1週間までの約1ヶ月間配信を実施。そして、更に、伊賀鉄道さんの列車にこの「猫のぶーちゃ」中吊り広告を出稿することにしました。
この伊賀鉄道さんが実施しているヘッドマーク取り付けサービス。伊賀鉄道さんには、全部で5編成の列車が走行しており、依頼すると、その1編成の前後正面の窓に予め送付したデザインをヘッドマーク化して1週間運行してくれるというものです。金額は1週間で6000円(税込)。なんとも破格の金額でPRが出来るという素晴らしいサービスだったのです。
そして、せっかくなら、ヘッドマークだけでなく、中吊り広告も一緒に出して、外も中も楽しめるようなPRが出来たらと思い、広告出稿を担当されているアド近鉄さんに問い合わせをしてみました。様々な調整をしていただき、通常は5編成各所への掲出の分をぶーちゃヘッドマーク付き車両に集中的に掲出していただけることになったのです。これには、本当に嬉しくてもうテンションが上がってしまいました。
こうして、晴れて伊賀鉄道さんの看板列車のひとつでもある「ふくにん列車 伊賀の四季号」と「猫のぶーちゃ」がコラボした電車が2週間、走行することになりました。
デザインの仕事をしている上で、幸せなことのひとつに、自分の趣味にその技術を活かすことが出来た時があります。「猫のぶーちゃ」を描いている私は、生粋の鉄道マニアであり、デザイナーでもある。この全てが混ざり合ったタイミングが今回のこの出来事だったのです。鉄道マニア冥利に尽きる!そんな出来事はただただ幸せな瞬間でした。
新型コロナウイルスの関係もあり、また、弊社が設立時期も重なっており、スケジュール調整が難しいため、流石に現地で実際に見ることが出来ないかもしれない…そんな風に思っていると、たまたま、2日間、時間が空くタイミングが出来ました。万全の対策を講じた上で、現地に行くこと。新幹線と近鉄特急を乗り継ぎ、伊賀神戸駅に着くと、伊賀線の方にはまだ電車が入ってきていませんでした。ホームに行くと、タイミング良く電車が入線。やってきた電車は、まさしく、ふくにん列車、そして、ぶーちゃが乗っている電車でした。やはり、リアルで見られる感動。夢心地の中で気分も高揚していました。さらに、車内ではぶーちゃの中吊り広告があらゆる場所にぶら下がっています。そして、たまたまだったのですが、車内がハロウィン仕様となっており、とても可愛い車内にぶーちゃのポスターの色合いがマッチしていて、最高の組み合わせになっていました。このハロウィンの飾り付けは、伊賀鉄道の社員の方々が実施したそうです。とってもキュートな車両に仕上がっていて、乗っているだけでも楽しくなる、そんな電車でした。
そして、インスタ絵本「猫のぶーちゃ」では、伊賀の旅を配信しました。ぶーちゃが日本全国制覇の旅で出会った伊賀の忍者さんに招待状を貰い、伊賀へ訪れるところから始まります。是非、こちらは猫のぶーちゃインスタグラムをご覧ください。
そうした上方もInstagramをはじめ、TwitterやFacebookでPRを伊賀鉄道公式アカウントがしてくださり、また、こちたもPR。こうした相互のPRで相乗効果が高まり、強いPRとなるのです。このような形のPR方法は、新たな地域活性化のひとつになるのではないか。そう感じた部分もありました。一方的にPRをすることが普通ではありますが、そうではなく、お互いのPRをお互いが実施する。そうすることで、両者の知名度が向上していく。更に、実際に見にくる方がいて、現地への観光客も誘致することが出来る。地域×鉄道広告×SNS×オリジナル物語の絵本。この方程式が成り立った瞬間だたような気がしました。今回、その実証実験もすることが出来たと思っています。
新型コロナウイルスで、「リアル」よりも「オンライン」が一時期多くの流れとなっていましたが、その状況になり、より一層「リアル」の大切さに誰しもが気付いたはずです。こうした「リアル」のPRは、これからもまだまだ重要であり、そして、人の温かみを感じられるそんな雰囲気を出していける広告作りをしていきたいと改めて感じました。
そして、今回、これをきっかけに初めて訪れた伊賀の街は、とっても魅力的で楽しい街でした。とにかく、人が温かく出迎えてくれる街です。本当に、伊賀に行くことが出来て良かったと思いました。そして、伊賀鉄道猪田道駅のすぐそばで見た秋桜、本当に綺麗でした。
今回、このような素敵な環境を作ってくださった伊賀鉄道さん、車内中吊り広告を調整してくださったアド近鉄さん、本当にありがとうございました。
本当に、本当に、幸せな2週間でした!!
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文・青田竜之介 写真・青田竜之介,富田真央 更新・2020年11月3日
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