FNC STORY

text by RYUNOSUKE AOTA
graphic by TOMOHIRO USUKI
article up 2017/09/06
光の祭典。何もない状態からのスタート。

2017年8月20日、暑い日差しが降り注ぐ1日となった秋田県能代市。STUDIO FNCは、2年目のチャレンジの日を迎える。昨年、同じ場所で、初めてミニプロジェクションマッピングを実施した。大きな課題を残す結果となってしまい、非常に辛い思いをしたことが蘇る。本当に悔しい思いもあり、初めて全てが失敗だった出来事だった。

今年、いよいよ再挑戦となるこのプロジェクションマッピングは、昨年よりも規模を拡大、そして、高出力のプロジェクターに、完全な音響、照明をセッティング。そして、内容は、全編アニメーションで製作ということになった。

秋田県能代市は、JAXA能代ロケット試験場があるため、宇宙の街としても知られている。もちろん、鹿児島の種子島などには及ばないが、それでもここは、宇宙に少し近い街である。今回の会場は、能代市子ども館。昼間は、子供達がたくさん訪れ、遊んだり、学んだりする施設である。館内にはプラネタリウムもあり、非常に充実した設備がある建物である。その西側の壁面を利用して、実施することになった。

このような壁に映し出す場合、専用のアプリケーションが必要となる。そのため、プロジェクションマッピングを行うにあたって必要なアプリケーションは、現在、メジャーなものは日本国内にはなく、海外から取り寄せるということになってしまう。代理店を利用し、そのアプリケーションを入手、そして、その日から使い方を覚えていかなければならないという課題が新たに発生した。

今回使用したのは、MadMapperという海外製のソフトで、もちろん日本語版はないため、英語版のみとなる。現在、メジャーに発売されているマッピング用ソフトとしては、一番手に入れやすい金額である。代理店を利用するよりも、直接ページから購入すれば、ユーロが安い場合だったら、安く手に入れることが出来るかもしれない。

当初、アニメーションと実写を合わせたもので行こうと考えていたのだが、内容を考えた結果、全編イラストアニメーションで製作することにした。イラストアニメーションも、描きあげて動画を製作し、更に、それを映し出すためのアプリケーションを覚える。同時進行で進めて行く内容は、非常に大変で、製作期間は3ヶ月間を要した。

そして、実際の機材を使用してのテストが、前日のみしか行えないということから、それまでは、実際の建物の模型を製作し、そこに投影しながら、バランスを見て、製作を進めていった。

今回、イラスト製作には、代表の青田と富田の二人三脚で進めていった。描き始めてから、2ヶ月。ようやく、物語の内容の骨子が決まり、イラスト製作もなんとか完成した。ここまで描いてきたものが、今度は、巨大な画面で映し出されるとなれば、ドキドキワクワクするものだが、今回は、そんな暇さえもなく、あっという間に前日を迎えた。

前日、当初映し出す予定だった窓面に映すことが出来ず、その奥にある広い白壁へと投影場所を変更した。しかし、その場所変更が非常に立体感を生み出し、そして、臨場感を出すことに成功した。

当日、夕方から、設営を開始し、いよいよ本番を迎えた。MCは、FNC ALL STARSの山崎ジェシカが担当、そして、会場内の記録撮影には、副代表の臼木が担当した。また、前日から当日までの間は、青田のサポートも同時にした。オールSTUDIO FNCで、望んだイベントは、大成功に終わった。涙が出るほどの成功だった。昨年の大失敗が本当に報われた瞬間だった。

こうして、秋田能代での最後の大きなイベントが終了した。この場所で、自分が実施出来る最後の大きなイベントだった。

自分は、この夏が終われば、この地を去ることになる。1年半という短い期間ではあったが、非常に充実した内容の濃い移住生活でもあった。技術的に進歩したかは正直、自分では判断出来ないが、1人でも街の人々がこの日の出来事を記憶に残してくれていたなら、それだけで良かったと思える。きっと、いつの日か、また、秋田に能代に来た時、我々は、間違えなく思い出すはずである。

想い出と、さんざめく記憶と共に、終わって暗くなった会場の空には一面、星空が広がっていたことも忘れない。

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